眼内コンタクトレンズ(ICL)

角膜を削らない眼内コンタクトレンズ視力矯正

  • ICL(インプランタブルコンタクトレンズ)

視力矯正には

  1. メガネ
  2. コンタクトレンズ
  3. オルソケラトロジー(ナイトレンズ)
  4. LASIK(レーシック)などの屈折矯正手術
  5. 眼内コンタクトレンズ(ICL)
  6. 白内障手術

があります。

そのうち、終日を裸眼で生活できるのはLASIKとICLと一部の白内障手術になります。

ICLは虹彩(茶目)と水晶体の間にレンズを挿入し視力矯正をします。1978年から開発が始まり、1997年にヨーロッパ、2005年にアメリカで承認されました。日本では2003年から治験が始まり2010年に医療機器として承認されています。

なぜICLはLASIKより認知度が低いのでしょうか?それはICLの危険性(緑内障や白内障が発症することがある)が高かったからです。

ではLASIKに問題はないのでしょうか?LASIKは角膜(黒目)を削って視力矯正をします。角膜を削る欠点は

  1. 術後何か問題が生じた場合、元に戻すことができない
  2. コントラスト感度(色の濃淡)が低下しやすい
  3. ハロー・グレアと言われる夜のライトが強く感じやすくなる
  4. ドライアイになりやすい
  5. 角膜の厚さを保つために強度近視では手術ができない
  6. 将来白内障の手術をする時の眼内レンズ度数に誤差が生じやすい

などがあります。

LASIKにも問題点がありますが、それ以上に安全性が高く効果のある手術がありませんでした。しかし近年、ICLレンズを改良したことにより、危険性がほとんどなくなりました。ICLは角膜を削らないため、LASIKの問題点も生じにくいです。

眼内コンタクトレンズ(ICL)のメリット

  • 万一の場合でもレンズを取り出し、元の状態に戻すことができます。
  • 終日を裸眼で生活できるので、災害時にも安心です。
  • 近視が強い方でも矯正可能です。
  • シャープであざやかな見え方が期待できます。
  • ドライアイの原因になりにくいです。
  • 紫外線をカットします。
  • コンタクトレンズと違い、維持費がかかりません。
  • 医療費控除の対象になります。

眼内コンタクトレンズ(ICL)のデメリット

  • 自費診療となるため経済的負担が大きくなります。

    当院では通常レンズを片眼29万円(税込)、乱視用レンズを片眼31万円(税込)とさせていただいております(術前検査、手術、薬、術後6ヶ月間の検査費用込)。

手術について

手術決定までの主な流れ

術前検査

レンズの適応基準を満たしているかを確認するため、術前検査を行い、総合的に適応についてカウンセリングを行います。術前検査では、瞳孔を広げて、眼底検査・瞳孔径計測・屈折検査を行いますので、当日から2日間くらいはまぶしくなったり、物が見えにくくなりますので、車で来院はされないでください。また、正確な度数を測定するため、コンタクトレンズを装用している方は一定期間装用の中止が必要になります(ソフトコンタクトレンズ:3日間、ハードコンタクトレンズ:2週間)。ご不便をおかけいたしますが、ご理解ください。術前検査後からコンタクトレンズ装用はできるようなります。

  • 視力検査

    裸眼での視力と矯正視力を測ります。老眼の確認のため近方視力を測定することもあります。

  • 屈折検査

    近視や遠視、乱視の強さを測ります。調節を麻痺させる目薬を使うため、2日間は瞳孔が広がり見えにくくなりますので、ご注意ください。

  • 眼圧検査

    目の硬さを調べ緑内障の可能性がないか診察します。

  • 角膜内皮細胞数

    角膜内皮細胞数や形状を調べ角膜の健康状態をチェックします。

  • 角膜厚検査

    角膜の厚みを測定します。

  • 角膜径検査

    レンズサイズの計算のため角膜の直径を測定します。

  • 前房深度検査

    手術が安全に行えるスペースがあるか、角膜と水晶体の間の空間の距離を測定します。

  • 瞳孔検査

    目薬で瞳孔を拡大させた時の瞳孔径や、明所・暗所での瞳孔径を測定します。開いた瞳孔が元に戻るまでしばらくかかります。

  • 角膜形状解析

    角膜の形状を詳細に解析し、不正乱視や円錐角膜の診断をします。

  • その他

    必要に応じてその他の検査を行います。

手術当日の主な流れ

来院受付後、スタッフの指示に従い、手術準備のための点眼などの準備を行います。

健康状態確認のための血圧、心拍数などのバイタルチェックも行います。

  • 切開

目薬で瞳孔を広げて、点眼麻酔をして、角膜の縁を約3mmと約1mm切開します。

  • レンズ挿入

切開した部分からレンズを眼の中に入れます。

  • 固定

レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。

  • 瞳孔収縮

瞳孔を収縮させ手術は終了です。

  • 終了

院内でしばらくお休み頂いた後、目の状態を検査し、問題がなければお帰り頂きます。傷口が小さいので回復が早いため、入院不要で日帰りの手術が可能です。

術後の点眼や服薬等については医師の指示に従ってください。

  • リラックスできる服装でご来院下さい。
  • お化粧はお控え下さい。
  • 公共交通機関やタクシーでご来院下さい。手術後は許可があるまで車の運転はできません。

手術後の生活

見え方について

視力の変動

術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがありますが、回復とともに改善します。

完全に回復するまでは、目を直接触らないように注意しましょう。また制限事項も守るようにしてください。

 

ハロー・グレア

術後しばらく見え方が変動し、夜間や暗いなかで光を見た時に、眩しさを感じるなど、光に過敏になることがあります。

通常は徐々に気にならなくなりますがこの症状が残る場合はご相談ください。

一般的な症状(帰宅~翌日)

異物感・充血・かすみ

傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに自然に改善します。

手術後の注意事項

手術後一定の期間、日常生活の以下のような項目について制限があります。

詳しくは医師の指示に従ってください。

  • 洗髪、洗顔
  • シャワー、入浴
  • 化粧、アイメイク
  • 飲酒、たばこ
  • 運転
  • 運動
  • プール

 

また、医師の指示に従ってお薬(点眼薬・内服薬)を使用し、定期検査を受けてください。

まれにおこる合併症

レンズの位置ずれ

術後検査でレンズの固定位置がずれていたり、レンズの大きさが適切でない場合はレンズの再固定や入替えを行うことがあります。

 

度数ずれ

術後に予想した屈折度数とずれが大きい場合はレンズの入替え等を検討することがあります。

 

白内障

レンズに起因する水晶体の白濁が観察された場合はレンズを取り出し白内障手術を行い視力を改善させます。

 

緑内障

レンズに起因する眼圧上昇が見られた場合は薬や追加処置を行います。

 

眼内炎

極めてまれですが細菌が目の中に入ることにより眼内に炎症が生じる場合があります。抗生剤や消炎剤で対応しますが、程度によってはレンズを取り出すことがあります。

 

治療後は医師の指導に従いお薬の使用や定期検診を受けることが大切です。気になること、不安なことがあったらお気軽にお問い合わせ下さい。

Q&A

Q:柿木医師は近視の手術を受けていますか?受けるとしたら何の手術を選択しますか?

もともと視力がいいので裸眼(手術は受けていません)です。もし自分が近視の手術を受けるとしたらICLを選択します。ちなみに、妻は強度近視で、当院でICL手術を受けています。

Q:手術の適応と適応外を教えてください。

適応

  • 年齢は21歳から45歳
  • -6.0D以上の近視
  • 乱視度数4.0D以内

ガイドライン上、上記の方が適応になりますが、46歳以上の方や、-6.0D未満の近視の方は、術前検査とご本人のご希望にあわせて相談させていただきます。

・軽度円錐角膜

 

適応外

  • 緑内障、遠視、狭隅角、白内障、ぶどう膜炎、強度円錐角膜、角膜内皮障害、チン氏帯脆弱、眼底疾患、妊婦または授乳期の方
Q:手術は痛いですか?

点眼麻酔をします。多少の違和感は出ますので、お声をかけながら手術を進めさせていただきます。

Q:傷は残りますか?

角膜縁に約3mmと約1mmの切開創をつくり手術をします。手術直後は黒目にわずかに混濁が残りますが、ほとんどわからなくなります。

Q:費用は公的医療保険の対象ですか?

自費診療となりますので、公的医療保険の対象にはなりませんが、医療費控除の対象となります。

Q:老眼も治りますか?

40歳頃から加齢に伴う調整力の衰えにより「手元が見にくい」と言った老眼の症状が出始めます。眼内コンタクトレンズ(ICL)では近視や乱視などの屈折の矯正を行いますが、老眼の治療ではありません。老眼により手元が見にくい場合は近用眼鏡(老眼鏡)等を適宜使用して下さい。

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